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よくあるご質問

矯正治療をして良かったことを教えてください
矯正治療中に、どのようなことを負担に感じますか?
なぜ歯は動くのですか?
痛みの原因
「抜歯」について
治療中の虫歯予防はどうしたらよいでしょうか?
目立たない装置について教えてください
良く噛まない子は不正咬合になりますか?噛むことの効果を教えてください
歯並びが綺麗なら良いのでしょうか?

 

Q.矯正治療をして良かったことを教えてください。

【答】
矯正治療を終えた方の感想は、私たちに「矯正治療の真値」を教えてくれます。以下にアンケート結果(*1)を列挙いたします。

1. 思いきり笑える
「笑顔に自信が持もてるようになった。」「人前で歯を見せて笑えるようになった。」「口元や顔つきが綺麗になったと言われて嬉しい。」

お口元のコンプレックスが解消されると明るくなり自信を取り戻していきます。メンタル面のプラス効果はかなり大きいようです。

笑うとき、手でお口元を隠すことはなくなります。綺麗な歯並びで、美しいスマイルは、男女を問わず、人間関係を良くすることでしょう。

2. 歯のお手入れが楽になった
「歯磨きがしやすくなった。」「歯磨きのとき、歯肉の腫れ、出血がなくなった。」
このような感想は、デコボコの歯並びや出っ歯の方から多く寄せられています。

デコボコの歯並びは複雑な形をしているため、歯磨きをしても磨き残しがあります。治療後はキレイに整っているのでブラッシングが楽になります。

一方、上顎前突の人は歯が出っ張っているために口が上手く閉じられず、歯肉が乾燥して炎症を起こすと腫れてしまいます。治療後は、口が閉じられるようになるので、歯肉の炎症や出血がなくなります。

3. 口腔に関する意識が向上
「子どもの歯・歯肉の健康に対する関心が高くなった。」
多くのご家族からいただいた感想です。治療前に歯磨き指導を行うことで、口腔ケアが習慣化していきます。お子さまのお口への関心が高まり、歯の寿命を延ばすことにも繋がるでしょう。

4. 咀嚼機能の改善、向上
「噛みやすくなった。」「食べやすくなった。」「発音が良くなった。」
このような感想は、前歯が噛み合わない「開咬」や、下顎が前に突き出ている「反対咬合」を治療した方から多く寄せられました。また、デコボコの歯並びや出っ歯(上顎前突)を治療した方の咀嚼能率も向上しています。

5. お口元の形の改善
矯正治療を行うと、歯を動かすと歯槽骨部分(歯肉として見える部分)の位置や形態が変わります。たとえば、上顎前突(出っ歯)の場合、矯正治療をすれば突出している歯肉の部分も後退させることができ、上唇が引っ込み、美しいお口元になります。それと同時に口唇を閉じる際、筋肉が異常に緊張することがなくなりますので、楽に閉鎖ができるようになります。

下顎前突(受け口)の場合も、下顎前歯を後退させて上顎前歯を前進させることによって、下唇の突出感が減少し、お口元の感じもかなり変わります。また、歯で唇を押し上げていたのが、治療によってお口元がすっきりします。

このように、矯正治療は歯を移動させて形態を整え、咀嚼機能を回復させると同時に、口腔周囲筋の機能も回復させることができます。その結果、お口元を中心に顔貌が美しくなります。

*1
日本臨床矯正歯科医会神奈川支部で、1994年に術後の患者さんと保護者の方に行ったアンケート。
回答数は413名。
 

Q.矯正治療中に、どのようなことを負担に感じますか?

【答】
矯正治療中に負担に感じたことを、治療後の患者さんのアンケートで見てみましょう。

1. 痛みが伴う
歯を移動するとき、2~3日は歯肉の中が痛くなります。また、装置に慣れるまでの約1ヶ月は強い違和感や、頬や唇の裏側がこすれて痛むことがあります。

2. 人目が気になる
前歯などに装着した装置やワイヤーが目立つため、人によっては「人目」を気にする方もいます。最近では見えない・目立ちにくい装置も増えてきました。どうしても気になる方は、そうしたタイプを選択すると良いでしょう。

3. 治療期間が長い
一般的な治療期間は2~3年と長く、月に一度、定期的に通院して装置を調整しなければなりません。根気が必要な治療といえるでしょう。

4. 歯の手入れが大変
装置を着けた後は、歯に汚れが付きやすくなります。ブラッシングが不十分ですと、虫歯や歯肉炎になる可能性が高くなりますので、時間をかけて丁寧な歯磨きが必要です。

5. 口腔内や口腔外に着脱式の装置などが大変
着脱式の装置を装着する必要があるときは、本人の努力なくしては良好な結果は得られません。

矯正治療では、歯並びと噛み合わせを改善し、さらには美しい口元とバランスの取れた顔立ちをもたらします。しかし、それらは決して自動的に改善されるのではありません。痛みやお手入れの煩わしさなどの負担やリスクが伴うことも事実です。それらを理解し、ご本人が努力することで得られる結果といえます。
 

Q.なぜ歯は動くのですか?

【答】
矯正治療では、どのようにして歯を動かすのでしょうか?

歯は動かないものと思われている方が多いかもしれませんが、実は、力を加えて位置をずらすことができるのです。

歯は、電球がソケットに入るような形で骨に植わっているのですが、歯と骨とは直接くっついているのではなく、「歯根膜」という繊維組織を介して接しているのです。そこに、歯の外から力を加えますと、一方の歯根膜はつぶされ、他方は引き伸ばされます。つぶされた方では、骨を溶かす細胞(破骨細胞)が出現し、骨が削り取られてゆきます。

一方、引き伸ばされた方では、骨芽細胞が出現し、骨を添加してゆきます。このように、力の加わる前方の骨がなくなり、後方に造られてゆきますので、歯が植わっている「ソケット」の位置がずれ、その結果、歯の位置が変わるわけです。

矯正治療というのは、装置によってこの骨変化を繰り返し起こさせ、目的とする位置まで歯を動かしてゆく処置なのです。
 

Q.痛みの原因

【答】
「矯正治療は痛い」、とよく言われますが、全く痛みを伴わずに矯正治療をするのは、今のところ困難です。痛みを軽減する方法の研究は色々な方向から行なわれていて、薬の内服が今のところ主流ですが、胃腸障害を引き起こすことも少数ながらあるため、遠赤外線照射やソフトレーザーの利用なども研究されつつあります。

実際の痛みは、調節後の2、3日がピークで、期間はせいぜい一週間です。歯を噛み合わせた時の痛みが主で、絶えず痛いわけではありませし、我慢できる範囲と思います。

では、なぜ痛みを伴うのでしょうか。

これは、歯の移動のメカニズムに関係しています。
歯は、歯根膜という繊維組織を介して骨と接しているのですが、外から力を加えますと、行く手の歯根膜は圧迫されます。その刺激によって破骨細胞が誘導され、行く手の骨を溶かすので、歯が移動できます。しかし、同時にヒスタミン、ブラジキニン、プロスタグランジンなどの炎症を起こす物質が周囲に放出され、痛みを起こします。

歯の移動は一種の炎症反応ですから、多かれ少なかれ、痛みを伴うのは、今のところ避けられないようです。
 

Q.「抜歯」について

【答】
矯正治療で歯を抜く必要があるとお話しすると、「健康な歯をなぜ抜くのでしょうか?」という質問をされる方が必ずいらっしゃいます。確かにどの歯も抜かずに不正咬合が治療できれば、それに越したことはありません。しかし、抜歯しないと治すのが難しい症状には次のようなものがあります。

抜歯をしないと治すのが難しい症状とは?

1.顎骨の大きさに対して歯が相対的に大きいため、歯の生える空隙が著しく不足し、叢生(凸凹の歯並び)になっている場合。
叢生は、基本的には歯の入る場所(顎の骨)の大きさに比べて、相対的に歯が大きすぎる(ディスクレパンシィー)ために起きる症状ですから、その解決には、どちらかの要素の大きさを変えなければなりません。一本一本の歯の大きさは通常変えられませんので、歯を抜いて歯幅の合計を小さくするか、顎の大きさ(幅、長さ)を大きくして治療することになります。

顎の骨は、成長中であれば、ある程度大きくできますから、早期から歯列の拡大をする方法で治療してゆくと、抜歯の可能性を低くする可能性があります。

2.出っ歯、受け口、開咬などで、上下どちらか、あるいは両方の前歯を後退させて前突を治す必要がある場合。
この場合、後退させるための隙間を得るために抜歯します。
歯はただあればよいというものではなく、上下の歯が咬み合い、咀嚼機能や発音機能を果たし、あるいは食いしばって力を出すことなどもできなければ意味がありません。

また、顎関節にも負担をかけない安定した咬合状態になっていることも必要です。どこも歯を抜かずに無理に並べると、前歯が前突しすぎて口元が突出したり、前歯の機能が十分果たせない、また将来に渡っての安定が得られないような場合は、抜歯して治療する必要があります。

叢生では、虫歯や歯周病になりやすく、それが原因で歯を抜くことにもなりかねません。ですから、歯を抜くことのマイナスと、抜いて不正咬合を治した場合のプラスを天秤にかけて、どちらを取るかという選択をするわけです。

通常抜歯する歯は、小臼歯といって、中央の前歯から数えて4番目か5番目に当たる歯です。第一小臼歯、第二小臼歯と2本あり、大臼歯に比べて小さいし、1本が欠損しても他の歯に比べて影響は少ないと考えられているので、抜歯の対象とすることが多いのです。

どこの場所の歯を抜いたとしても、基本的には両側から隙間の閉鎖をはかり、治療後には隙間は残りません。

註:「ディスクレパンシィー」
歯の大きさと、顎の大きさとの不調和を「ディスクレパンシィー」と言います。
近頃、「噛めない」「飲み込めない」子供が増えていると言われています。硬いものはもちろん、噛みにくい繊維質の多い食品も避け、軟らかい食べ物を好みます。当然、顎に付いている筋肉の仕事量は減少しますし、歯を介して骨に伝わる刺激も減りますから、顎の骨は十分発達しないで成長を終了することになります。それに比例して歯の大きさが変わるということはありませんから、歯の生えるスペースが足りなくなり、歯が乱立する状態、「叢生」になってしまいます。
 

Q.治療中の虫歯予防はどうしたらよいでしょうか?

【答】
矯口の中にずっと入っている固定式矯正装置(マルチブラケット装置など)を装着すると、う蝕(虫歯になる過程)に罹りやすい環境になるのは事実です。
装置は、う蝕の原因となる食物残渣や歯垢(プラーク)の滞留しやすい突起物となるからです。

う蝕の発症は、原因菌、歯垢の存在と、その病変の進行している時間に左右されると言われています。歯質からカルシウムやリンが一時抜けても、再石灰化で元に戻る過程があれば、歯質の欠損(いわゆる虫歯)にはなりません。ですから、砂糖摂取の抑制、歯垢の除去とともに、再石灰化を促進したり、酸を希釈する唾液量を増やしたり、免疫力の増進なども併せて行なうことが重要です。

個人個人の口腔細菌、唾液量、食生活環境などを分析し、その状況に合わせて対策を立て、実行すれば、虫歯になる可能性をかなり低くすることができます。

具体的には、丁寧なブラッシングの他、フッ素塗布、キシリトール摂取、定期的なクリーニング、虫歯菌除菌などです。
 

Q.目立たない装置について教えてください

【答】
最近は、成人にも矯正治療を希望する方が増えていますし、またそれを可能にする技術も向上してきましたので、代表的な装置を紹介しましょう。

1.審美的ブラケット
ふつう、マルチブラケット装置(歯の一本一本に矯正器具を付ける装置)は、金属製の器具を歯に付けますが、その代わりに、セラミックやプラスチック、グラスファイバーなどでできた器具を使い、目立たなくする方法です。見えるのは針金だけになりますので、日常会話の時など、見た目にはほとんどわからなくなります。
金属ブラケットと比べると、摩耗、破損しやすい、接着がはずれやすいという欠点がまだあります。また、硬いセラミック製のブラケットは、治療終了時の撤去の際、エナメル質を破損するリスクがあると言われています。

2.マルチ・リンガル・ブラケット装置
これは、すべての金具を歯の裏側に付ける方法です。従って、装置はまったく見えませんが、舌が慣れるまでの間(1~3ヶ月)違和感は強く、発音に支障が出ます。また、歯の外側に付ける装置での治療に比べ、治療期間が長くなったり、十分に治せない症状もあります。治療費は、通常の装置より高くなります。
 

Q.良く噛まない子は不正咬合になりますか?噛むことの効果を教えてください

【答】
人類学の研究から、食べ物の内容が頭蓋骨の形の変化に大きな影響を及ぼすことがわかっています。煮炊きなどの調理方法が発達していなかった時代には、硬い食物を噛みきったり、すりつぶしたり、何回も良く噛んでいましたから、顎を動かす筋肉は発達し、歯が植わっている顎の骨も大きかったわけです。

江戸時代でも、徳川将軍家は調理に手をかけた軟らかい食事を取るようになったため、わずか三~四代で顔が細面になり、叢生の歯並びが出ています。一方庶民は、がっしりした、えらの張った顔で、叢生もほとんどなかったと言われています。噛むための筋肉の活動量は、顎の骨の大きさにおおいに関連しています。

一方歯の大きさは、乳幼児期の栄養が良くなりすぎたためか、少しずつ大きくなっているようです。顎の骨の縮小と歯の大型化により、叢生(凸凹の歯並び)は増加傾向にあるようです。

さらに、成長期においては、噛む動作は、口の周囲の骨格や筋肉、消化器官の発達を促す作用がありますから、噛む動作が不足すると、下顎の十分な成長が起こらず、上顎前突(いわゆる出っ歯)や、過蓋咬合(深い咬み合せ)という不正咬合につながります。

「噛む」という動作は、食物を噛み砕くという消化作用の第一段階ですが、そのほかにも、唾液分泌促進作用があり、消化を助けています。唾液中には、食物の消化酵素の他にも、解毒作用を持つ酵素や、「ぼけ」を防止する酵素もあると言われ、よく噛むことでそれらが多く分泌されると言われています。

では、どうしたら良く噛むようになるか?ということですが、急に硬いものを噛んでも、かえって顎関節を傷めたりしますので、少しずつハンバーグなどの加工食品を減らしたり、調理の程度を軽くして、噛みごたえのある状態を残すとか、時間をかけて、良く噛んで食事をする、などの工夫が必要でしょう。
 

Q.歯並びが綺麗なら良いのでしょうか?

【答】
矯正治療は、見た目の歯並びが綺麗になれば良いのでしょうか?
矯正治療というと、歯の並びを綺麗にするだけの美容目的と考えておられる方がいらっしゃいますが、実は少し違います。噛み合わせも大事なのです。

本来「歯科治療の目的」は、噛み合わせを整え、口腔の持つ機能(咀嚼、嚥下、発音、表情表出など)を十分発揮できるようにすることです。矯正歯科治療は、それを歯の移動によって達成しようとするものです。

表情を作る機能の改善のため、前歯の位置、並びも整えますから、見た目の形は改善します。しかし、それだけを目的にし、噛み合わせを十分改善しないと、歯の異常摩耗、動揺、破折をまねいたり、顎関節に障害をもたらす場合も出てきます。若いうちは歯の支持組織(歯肉、骨)や関節も丈夫ですから症状は出にくいのですが、増齢や炎症などにより組織の弱体化が進むと、症状が現れてきます。

是非、見た目の綺麗さのみを追求するのではなく、口腔の持つ機能全体が改善するような治療を受けていただきたいと思います。
 

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